Twitterで、讃岐（@sora1995430）さんが可愛いデッキを紹介されていましたので、解説記事をお願いしたところ快く承諾をいただきました。
【マドルチェ】と【ふわんだりぃず】を一緒に使える欲張りデッキ。
さらになんと、こちらの解説記事のために、対環境版にブラッシュアップしていただきました！
「讃岐」プロフィール
| Twitterアカウント | @sora1995430 |
初めまして。主に東京周辺で交流会等をメインに遊戯王をやっている讃岐（さぬき）（@sora1995430）と申します。
今回は、新規テーマ【ふわんだりぃず】の登場を受け、【マドルチェ】と組み合わせた構築をしてみましたので、ご紹介をさせて頂ければと思います。
【マドルチェ×ふわんだりぃず】デッキレシピ
主にフリーでの使用を想定し、環境デッキを相手に戦える強さをポイントに組んでいます。
- メインデッキ 40枚
対環境デッキ用調整前はこんなデッキレシピでした。
【マドルチェ×ふわんだりぃず】デッキ解説
【マドルチェ×ふわんだりぃず】考察・構築のポイント
このデッキでは、展開能力とアドバンテージの獲得能力に優れた【マドルチェ】というテーマの妨害能力の薄さを上級「ふわんだりぃず」で補う形で展開して相手をコントロールしていくデッキとなります。
現在の【マドルチェ】デッキの展開の核となる《マドルチェ・プティンセスール》がマドルチェ以外のカードの特殊召喚を縛る為、他のテーマを混ぜにくいマドルチェですが、アドバンス召喚は縛られない為、【ふわんだりぃず】などの強力な上級モンスターとの相性は元々良いです。
その中でも、ふわんだりぃずと同じ「BURST OF DESTINY」で収録された《スモール・ワールド》の存在が、マドルチェとふわんだりぃずを強力に結び付けてくれます。
後ほど詳しく解説しますが、《ふわんだりぃず×すのーる》と《マドルチェ・マジョレーヌ》のコンボを使って、古の代償ガジェを彷彿とさせる動きで暴力的にアドバンテージを稼いでいきましょう。
両者ともに可愛いイラストのテーマなので、見た目での相性もバッチリです！
《スモール・ワールド》
このデッキを作るきっかけになったカードです。
やや難解な条件ですが、理論上ほぼ全てのモンスターカードにアクセスできるテクニカルなカードです。
少し難しい書き方ですが、手札のモンスターと種族・属性・レベル・攻撃力・守備力のどれか一つが同じモンスターをデッキから選び、さらにそのモンスターと種族・属性・レベル・攻撃力・守備力のどれか一つが同じモンスターをデッキからサーチするという効果です。
このデッキにおいては、《マドルチェ・ホーットケーキ》から上級ふわんだりぃずというルート以外なら全てのカード同士で相互にサーチすることができます。
各種マドルチェモンスター、手札誘発モンスターから《クレーンクレーン》を経由することで、《ふわんだりぃず×すのーる》《ふわんだりぃず×えんぺん》という強力な上級モンスターをサーチすることが出来ます。
なによりこのカードが強い点は、それぞれのカードを相互にサーチできるという所です。
展開札が足りないなら手札の《灰流うらら》等の手札誘発カードを《マドルチェ・プティンセスール》等に変えてもいいですし、展開札が十分にあるなら各種マドルチェから《灰流うらら》、《増殖するG》等の手札誘発に変えても強いです。
サーチをする際に見せたモンスターは裏側で除外されるので、墓地にモンスターがいると特殊召喚できない《マドルチェ・プティンセスール》とも好相性です。
※変換例（全ての変換は逆からでも成立します。）
- 各種マドルチェモンスター（地属性参照）→《クレーンクレーン》（鳥獣族参照）→上級ふわんだりぃず
- 《灰流うらら》（レベル３参照）→《クレーンクレーン》（地属性参照）→各種マドルチェモンスター
- 上級ふわんだりぃず（鳥獣族参照）→《クレーンクレーン》（地属性参照）→《増殖するG》
《マドルチェ・プティンセスール》
現在のマドルチェ展開の核となるカードです。
墓地にモンスターがいない場合に手札より特殊召喚できる効果と、発動後マドルチェモンスター以外特殊召喚できなくなる制約こそ付きますが、特殊召喚成功時に手札・デッキから任意のマドルチェをレベルを一つ下げてリクルートできる効果を持ち、１枚で初動に繋がるカードです。
このデッキにおいては、召喚権を使わずに場にモンスターを２体並べることが出来るので、余った召喚権を上級ふわんだりぃずに割くことができ、さらなる展開と妨害を構える事ができます。
《ふわんだりぃず×すのーる》
このデッキのメインのエースです。
そのターンの召喚権を３回に増やす起動効果と、相手ターンに手札を１枚除外することで特殊召喚された相手モンスターを裏側守備表示にする効果を持ちます。
マドルチェでは薄い相手ターン中の妨害効果を持ち、召喚権を増やす効果もかなり相性が良いです。
後述する《マドルチェ・マジョレーヌ》は、同名モンスターもサーチできる為、実質的に手札を消費せずに場にモンスターを供給できます。
破壊されてもマドルチェではモンスターのサルベージは容易な為、すぐに立て直すことが出来るのも強みです。
《マドルチェ・マジョレーヌ》
マドルチェもう一つの１枚初動です。
召喚成功時にデッキからマドルチェモンスターをサーチできる為、【マドルチェ】というテーマ単体で見た場合、状況によっては《マドルチェ・プティンセスール》より強く動けますが、このデッキにおいては召喚権を上級ふわんだりぃずに割きたいので、やや優先度は落ちます。
しかし、このカードの真価は《ふわんだりぃず×すのーる》があるときに発揮されると言っても過言ではありません。
マジョレーヌのサーチには同名制限がない為、マジョレーヌ召喚→マジョレーヌをサーチという動きが出来るので、すのーるで増やした召喚権がそのまま展開に繋がるのです。
《マドルチェ・シャトー》適用下で1900打点になるので打点の追加にもなりますし、対象を取らないデッキバウンスという強力な除去効果を持つマドルチェのエースモンスター、《クイーンマドルチェ・ティアラミス》をエクシーズ召喚することもできます。
初動・回し方・展開例（先行）
【ふわんだりぃず×すのーる＋マドルチェ・プティンセスール】
| 手札 |
|---|
  |
基本的にはこのルートを目指します。
取り除くオーバーレイユニット等も決まっている為、少し注意が必要です。
- 《マドルチェ・プティンセスール》を⑴効果で召喚。⑵効果でデッキから《マドルチェ・プディンセス》をレベル４扱いで特殊召喚。
- ２体で《ティーチャーマドルチェ・グラスフレ》をエクシーズ召喚。オーバーレイユニットの《マドルチェ・プティンセスール》を取り除き⑴効果を自身を対象に発動する。
- 《ティーチャーマドルチェ・グラスフレ》を素材に《マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード》をエクシーズ召喚。
- ショコ・ア・ラ・モード⑴効果で墓地の《マドルチェ・プティンセスール》をデッキに戻し、⑵効果でオーバーレイユニットの《ティーチャーマドルチェ・グラスフレ》を取り除きデッキから《マドルチェ・エンジェリー》を特殊召喚。《マドルチェ・エンジェリー》⑴効果でデッキから《マドルチェ・ホーットケーキ》を特殊召喚。
- 《マドルチェ・ホーットケーキ》⑴効果で墓地の《ティーチャーマドルチェ・グラスフレ》を除外し、デッキから《マドルチェ・メッセンジェラート》を特殊召喚。
- 《マドルチェ・メッセンジェラート》⑴効果で《マドルチェ・シャトー》をサーチしてそのままシャトー発動。発動時の効果処理で墓地の《マドルチェ・エンジェリー》をデッキに戻し、《マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード》⑵効果で《マドルチェ・プディンセス》を取り除き、デッキから《マドルチェ・メッセンジェラート》を特殊召喚。
※《マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード》⑵効果にはターン１制限がなく、《マドルチェ・メッセンジェラート》⑴効果には名称ターン１制限がありません。 - 《マドルチェ・メッセンジェラート》⑴効果でデッキから《マドルチェ・サロン》をサーチし、発動。
- 場の《マドルチェ・メッセンジェラート》二体で《ティーチャーマドルチェ・グラスフレ》をエクシーズ召喚。
- 《マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード》と《マドルチェ・ホーットケーキ》をリリースして《ふわんだりぃず×すのーる》をアドバンス召喚。
- 《ティーチャーマドルチェ・グラスフレ》⑵効果で墓地の《マドルチェ・ホーットケーキ》を手札に戻す。
※本来はデッキに戻りますが、《マドルチェ・シャトー》の効果で手札に戻す効果に置換されています。 - 《マドルチェ・サロン》⑵効果でデッキから《マドルチェ・プロムナード》をフィールドにセットする。
【最終盤面】
| フィールド魔法 | モンスター | 魔法・罠 |
|---|---|---|
 |  |   |
- 場魔法：《マドルチェ・シャトー》
- モンスターゾーン：《フレッシュマドルチェ・シスタルト》《ティーチャーマドルチェ・グラスフレ》《ふわんだりぃず×すのーる》
- 魔法・罠ゾーン：《マドルチェ・サロン》《マドルチェ・プロムナード》
場のマドルチェモンスターの攻撃力守備力が500上昇する《マドルチェ・シャトー》。
フリーチェーンでモンスター効果耐性を付ける事ができ、副次的に墓地のカードをデッキバウンスできる《ティーチャーマドルチェ・グラスフレ》。
モンスター効果を無効化する《マドルチェ・プロムナード》に、特殊召喚された相手モンスターを裏側守備表示にする《ふわんだりぃず×すのーる》という布陣です。
一見そこまでガチガチにはなっていない印象を受けますが、敵に回すと意外と突破が難しい盤面かと思います。
相手が墓地を利用するデッキであれば、《ティーチャーマドルチェ・グラスフレ》⑵効果を相手に打って妨害するのも良いです。
次のターンで《マドルチェ・サロン》《ふわんだりぃず×すのーる》の効果込みで実に４回もの召喚権を使ってゲームエンドに持っていきましょう！
初動・回し方・展開例（後攻）
基本的に相手の妨害がある前提で動きます。
【マドルチェ】は《クイーンマドルチェ・ティアラミス》の存在からアドバンテージ差を付けやすいテーマですので、無理にワンターンキルを狙う必要はありません。
１枚で相手モンスターを封殺できる《冥王結界波》、広く破壊できる《ライトニング・ストーム》を当てながら展開をしていきます。
展開ルート自体は途中までは先行と変わりません。最後に出した《ティーチャーマドルチェ・グラスフレ》を《クイーンマドルチェ・ティアラミス》に変え、相手の盤面を荒らしていきましょう。《ふわんだりぃず×すのーる》が自軍モンスターに貫通効果を付与する為、安易な守備受けを許しません。
とにかく細かくアドバンテージを稼いでいくのを意識して立ち回れば、自然と大きな差が付けられるはずです。
※先行後攻両方で使う動きですが、《ティーチャーマドルチェ・グラスフレ》⑵効果によるデッキバウンスを《マドルチェ・シャトー》の効果で手札に回収する動きは、マドルチェモンスター以外でも使うことができます。
一度使った《灰流うらら》等の手札誘発モンスターや、破壊されてしまった上級ふわんだりぃずも手札に回収することが出来るのは覚えておくと役に立つ場面が出てくるでしょう。
弱点と対策
複数のテーマを積んでいる関係で、テーマ同士が相性を補完しているため、どれかを止められると積む、といった致命的な弱点はないと思われます。
引けている妨害次第ですが、ある程度どのデッキとも戦えるのはこのデッキの長所です。ですが、色々な動きをする関係上、全ての妨害が満遍なく刺さります。
サーチ妨害、墓地メタ、特殊召喚メタ、アドバンス召喚メタetc…何をされてもある程度キツくなる為、明確に相性の良いデッキというのもまた、ありません。
そして展開の中で《フレッシュマドルチェ・シスタルト》を攻撃表示で置く為、《No.39 希望皇ホープ・ダブル》経由の《No.39 希望皇ホープ》等の超高打点を出すデッキには弱いです。高打点を連打するデッキや、リンクモンスターを多用するデッキに対しては、《ふわんだりぃず×すのーる》ではなく《ふわんだりぃず×えんぺん》を召喚するのが強い場面が出てきますので、意識しておく必要があります。
最後に
いかがでしたでしょうか。【マドルチェ】というテーマは比較的テーマ内で動きが完結しており、どちらかというと複数のテーマを採用し辛い所がありますが、《スモール・ワールド》を基点にふわんだりぃずを採用し、デッキ内のカードを相互的に結び付けるこの構築は、我ながら綺麗に纏めることができたと思います。
私はデッキを作る際殆どテーマ単体で組むことはありません。もちろん一つのテーマで統一したデッキも良いのですが、どのテーマにも強い部分、弱い部分が存在します。そんな弱い部分を補い、強い部分をより活かせるオリジナルの構築が出来た時の喜びも遊戯王の楽しみ方の一つなのかな、と思います。
ネットの構築では一般的ではない自分専用の機体を組む楽しみを、このデッキを通して少しでも感じて頂けたらとても嬉しいです。
オリジナルデッキでわからん殺しをしてみろ。飛ぶぞ。
最後に2（編集者より）
讃岐（@sora1995430）さん、ありがとうございます！
最高に可愛いデッキでした。
複雑な【マドルチェ】の展開を分かりやすく解説していただいているのも嬉しいです。
《スモール・ワールド》は無限の可能性を秘めているカードですね。これから色々なデッキで必要になりそうですし、しばらく再録もないと思うのでちょっと買ってきます。
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