2024年3月11日(月)適用の殿堂レギュレーションと環境への影響
2024年3月11日(月)より、デュエル・マスターズでは新たな殿堂レギュレーションが適用されます。
今回は新たに4枚のカードが殿堂入り、2枚のカードがプレミアム殿堂入り、3枚のカードが殿堂解除となりました。歴代でも比較的枚数の多い殿堂レギュレーション更新ですので、環境への影響は非常に大きいものになることが予想されます。
新たに殿堂入りするカード
《「無月」の頂$スザーク$》
《「無月」の頂$スザーク$》は特にオリジナル環境において、【青黒魔導具】や【青魔導具】のフィニッシャーとして活躍していたカードです。
特に【青黒魔導具】は《「無月」の頂$スザーク$》が登場した2023年10月から常に環境の前線に存在していたデッキです。
ここ数ヶ月では、オリジナル環境でトップとして君臨していた【赤青マジック】に対して有利に戦えることから人気が出始めた【黒単アビス】に圧倒的な有利を付けるデッキとして、使用者を増やしていました。
《「無月」の頂$スザーク$》はバトルゾーンと墓地に魔導具・カードを6枚用意することで、自分・相手ターンの終わりにコストを踏み倒して召喚扱いでバトルゾーンに出ることのできる能力「無月の門・絶」を持つために、最速4ターン目に降臨します。
相手のバトルゾーンのクリーチャーと手札を破壊しながら、自分はドローを進める能力で圧倒的なリソース差を形成する上に、それを嫌って除去しようにも、墓地にいれば「無月の門・絶」で何度でも甦ることができます。
この性質を活かして《堕魔ドゥポイズ》を使って自ら《「無月」の頂$スザーク$》を破壊して出し直す動きを繰り返し、相手の動きを完全に破壊したら《神の試練》で追加ターンを獲得して悠々とダイレクトアタックに持ち込むのが主流となっていたゲームプランです。
今回の殿堂入りによって【青黒魔導具】は事実上の破綻を迎えたといって差し支えないでしょう。
先述した通り、《「無月」の頂$スザーク$》がゲームプランの中心を担っているためです。
元々下火であった【青魔導具】については、元々《「無月」の頂$スザーク$》を1枚だけ採用する構築が流行であったものの、後述する別の要因で大きく弱体化することが予想されます。
よって、環境においては【青黒魔導具】は消滅、【青魔導具】は更なる減少ということになるでしょう。
《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》
《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》は主にオリジナル環境において【赤緑アポロ】のフィニッシャーとして活躍していたカードです。
火文明 (6)
進化クリーチャー:フェニックス 15000
究極進化:進化クリーチャー1体の上に置く。
侵略:火の進化ドラゴン(自分の火の進化ドラゴンが攻撃する時、自分の手札にあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい)
T・ブレイカー
相手がこのクリーチャーを選んだ時、カードを2枚相手のマナゾーンから選び、持ち主の墓地に置く。
メテオバーン:このクリーチャーが出た時、このクリーチャーの下にあるカードを3枚墓地に置いてもよい。そうしたら、このクリーチャーは相手のシールドをすべてブレイクする。
【赤緑アポロ】は2022年4月に強力な侵略元である《カチコミ入道<バトライ.鬼>》を得て以降、素早くかつ安定したゲームプランで常に環境の前線であらゆるデッキの頭を抑えつけていたデッキです。
ここ数ヶ月では、有利対面である環境トップの高速ループデッキ【アカシックフィオナ】と、先述した【青黒魔導具】の増加に伴って使用者を増やしていました。
《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》は《カチコミ入道<バトライ.鬼>》から《轟く侵略レッドゾーン》や《禁断の轟速ブラックゾーン》と共に「侵略」能力を使用することで最速3ターン目にバトルゾーンに現れ、「メテオバーン」を使用することで相手のシールド全てをブレイクします。
その後、相手に向かってのアタックは継続されているために何らかの手段で攻撃を防がれなければそのまま勝利となります。
この時、例え攻撃を防げていたとしても最後の「相手がこのクリーチャーを選んだ時」能力が曲者で、《ド浮きの動悸》などの相手のクリーチャーを選んで除去するカードではマナを奪われてしまって結局逆転には繋がりません。
また、早期からの踏み倒しを用いるデッキの天敵である早出しのメタクリーチャーに対しては《カチコミ入道<バトライ.鬼>》のバトル能力が、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》のアタックを防いでしまう「ブロッカー」持ちのクリーチャーに対しては《轟く侵略レッドゾーン》や《禁断の轟速ブラックゾーン》の除去能力が効果的に働くため、ちょっとやそっとの対策では容易に貫通されてしまいます。
今回の殿堂入りでは【赤緑アポロ】のコンセプトである《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》を失うことにより、デッキタイプそのものの前提が崩壊します。
まだ「侵略」を用いたアグロデッキとして振舞うことは可能でしょうが、強みであった速さと安定感は大きく損なわれ、環境からは完全に姿を消すことになると思われます。
《天命龍装ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》
《天命龍装ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》は登場以来、【ネバーループ】や【5cザーディクリカ】、【7軸ガチロボ】といった多種多様なデッキで活躍してきたカードですが、ここ最近の環境では専ら【アカシックフィオナ】のコンボパーツとして採用されていました。
光文明 (7)
クリーチャー:ドラゴンギルド/メタリカ 9500
ブロッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーをすべてタップする。その後カードを1枚引く。
ナウ・オア・ネバー SR 水文明 (5)
呪文
S・トリガー
コスト7以下の進化ではないクリーチャーを1体、自分の手札から出してもよい。その後、そのクリーチャーを手札に戻す。
クリーチャーと呪文、2つの面を持つツインパクトカードである《天命龍装ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》ですが、注目されていたのは常に呪文面《ナウ・オア・ネバー》です。
これはバトルゾーンに定着こそしないものの、7コストのクリーチャーを5コストで出すことができます。よって、早期に7コストクリーチャーの登場時能力を発動するギミックとして、様々な仕事があったのです。
また、S・トリガーが付いているのも凶悪で、もう一枚の《天命龍装ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》が手札にあれば相手のクリーチャーを全てタップする受け札として活用できます。
さらに、デッキに採用されている他の7コスト以下のクリーチャーによっては相手の迂闊な攻撃を起点にメインのギミックをさらに早く動かすことさえ可能にしていました。
さて、今回の殿堂入りの要因となったであろう【アカシックフィオナ】は《八頭竜ACE-Yamata/神秘の宝剣》により山札からマナゾーンに《完全水中要塞アカシック3》をセット。
次のターンに《ナウ・オア・ネバー》で《森夢龍フィオナ・フォレスト》の登場時能力を使って《完全水中要塞アカシック3》を出したら《ラルド・ワースピーダ/H.D.2》の呪文面《H.D.2》を《魔刻の斬将オルゼキア/訪れる魔の時刻》の墓地回収効果で循環させ、相手の山札を全てマナゾーンに送り込んでゲームセット。という最速4ターンで起動する超速ループデッキです。
ここまでのパーツはそのほとんどが《巨大設計図》または《レレディ・バ・グーバ/ツインパクト・マップ》で回収可能であり、安定感も上々の仕上がり。
ループデッキの天敵であるアグロデッキ、【赤緑アポロ】に対しては《ナウ・オア・ネバー》からコンボパーツの《魔刻の斬将オルゼキア》を繰り出すことで受けることができ、【赤青マジック】相手には《レレディ・バ・グーバ》に《ナウ・オア・ネバー》、さらに《ブルー・インパルス/「真実を見極めよ、ジョニー!》と《卍月ガ・リュザーク卍/「すべて見えているぞ!」》と合計12枚ものS・トリガーが詰め込まれています。
これにより、【アカシックフィオナ】に構造上有利であるようなデッキは現環境には存在しておらず、それどころか【赤青マジック】を付け狙う【黒単アビス】やそれを食いに来た【青黒魔導具】を上から抑え込んでさらに勢いを増していました。
今回の殿堂入りにより、最速コンボルートに入るには《激烈元気モーニンジョー》を空いた枠に搭載する他ありませんが、こちらは《巨大設計図》、《ツインパクト・マップ》のどちらにも対応していないほか、相手の攻撃を受ける上では無力です。先述した2つのデッキと比べてコンセプトの崩壊までは至っていないものの、今後の環境で戦い抜くには大きな痛手を受けることになりました。
《幻緑の双月/母なる聖域》
《幻緑の双月/母なる聖域》は主にオリジナル環境において【アナカラージャオウガ】で初動とフィニッシャーの《CRYMAXジャオウガ》を呼び出すという二つの役割を果たしていました。
自然文明 (2)
クリーチャー:ビーストフォーク 1000
このクリーチャーが出た時、自分の手札を1枚、マナゾーンに置いてもよい。
自然文明 (3)
呪文
自分の進化ではないクリーチャーを1体、マナゾーンに置く。そうしたら、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つ進化クリーチャーを1体、自分のマナゾーンから出す。
【アナカラージャオウガ】は《キユリのASMラジオ》から《ボン・キゴマイム/♪やせ蛙ラッキーナンバーここにあり》や《同期の妖精/ド浮きの動悸》といったメタクリーチャーと同時に《天災デドダム》、《Disジルコン》のようなリソースをもたらすクリーチャーを複数展開し、相手がもたついている間に《幻緑の双月/母なる聖域》の呪文面《母なる聖域》を使ってマナゾーンから《CRYMAXジャオウガ》を呼び出し、その圧倒的なフィニッシュ力でゲームを決めにかかるデッキです。環境に存在するデッキに合わせて《キャディ・ビートル》や《異端流しオニカマス》など、多様なメタクリーチャーを使いこなす対応力で一時は環境を支配していました。
特にメタクリーチャーと《同期の妖精/ド浮きの動悸》が同時にバトルゾーンに並んだ際には、一直線に攻撃するデッキに対する非常に強固なロックとなり、あの【赤単我我我】を環境から完全に放逐するほどでした。現環境においては【アカシックフィオナ】【赤青マジック】【青黒魔導具】の動きを遅らせることのできる《キャディ・ビートル》を採用可能な最も強いデッキでした。
しかし、《キユリのASMラジオ》の出力を安定させるために強力なS・トリガーを採用できず、《氷柱と炎弧の決断》を獲得し、高いレベルで安定した【赤青マジック】の高速展開に対して勝率が安定しなかったことで、やや下火になりつつありました。
今回の殿堂入りにより、《CRYMAXジャオウガ》を早期に建てるプランを失った【アナカラージャオウガ】は、今後の環境への対応力と安定感の両立に際して大きく傷を受けることになります。
特に序盤の展開において不要な《CRYMAXジャオウガ》をとりあえずマナチャージしておいて、後から《母なる聖域》で引っ張り出すプランが取れなくなることの影響はプレイの難易度を引き上げることでしょう。
非ツインパクト版の《母なる聖域》でリペアを図ることは不可能ではありませんが、クリーチャー面の《幻緑の双月》が付いていない分、初動並びに《キユリのASMラジオ》の安定感は低下し、以前ほどのデッキパワーを出力することは難しいものになりそうです。
結果、環境からはさらに数を減らすことが予想されます。
新たにプレミアム殿堂入りするカード
《神の試練》
《神の試練》は主にオリジナル環境において【青黒魔導具】や【青魔導具】がゲームを決める際に相手のS・トリガーによる逆転を防ぐ目的で用いていたカードです。
水文明 (5)
呪文
コストが同じカードが2枚出るまで、自分の山札の上からカードを表向きにする。
こうして自分の山札をすべて表向きにした場合、このターンの後に自分のターンを追加し、残りのゲーム中、自分の山札のカードが1枚もなくても、自分はゲームに負けない。
表向きにしたカードをすべて手札に加える。
【青黒魔導具】は先ほど《「無月」の頂$スザーク$》の項で解説した通りのデッキですので、ここでは【青魔導具】について解説します。
【青魔導具】は2018年12月には既に存在していたデッキタイプであり、環境に合わせて採用カードやフィニッシュ手段を入れ替え、強化パーツを取り入れながら現在まで常に環境の最前線から一歩引いた位置に着き続けた歴史あるデッキです。
ここ最近の環境では元来より不利なアグロデッキの中でも特に強力な【赤青マジック】に押されていましたが、根強い人気で愛好者が使用していました。
《神の試練》は【青魔導具】において、山札を残り2枚まで減らしたタイミングや、《堕呪ゴンパドゥ》で山札の中身を完全に把握した状態で唱えることで確実に追加ターンを獲得することができます。(同時に、自分が山札切れによって敗北しなくなります。)
その状態から《凶鬼98号ガシャゴン/堕呪ブラッドゥ》の呪文面《堕呪ブラッドゥ》で自分の墓地にある《神の試練》と《堕呪ゴンパドゥ》並びに《凶鬼98号ガシャゴン/堕呪ブラッドゥ》の2枚目を山札に戻すことで次のターン以降も確実に《神の試練》を唱えて追加ターンを獲得できるようになります。このようにして獲得した追加ターンでマナチャージを行い、1ターンに2回《神の試練》を唱えられる状況を作れば自由な行動を取れるターンが無限に増えていきます。
この無限の追加ターンを利用して《堕呪ウキドゥ》を《凶鬼98号ガシャゴン/堕呪ブラッドゥ》で山札に戻しながら唱え続けることで、相手にシールド追加をさせ続け、攻撃を行うことなく山札切れのルールによって勝利することができます。
こうした《神の試練》を用いたループは《凶鬼98号ガシャゴン/堕呪ブラッドゥ》と同様に墓地のカードを山札に戻すことができる《闘争類喧嘩目ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》を採用する【5cザーディクリカ】などによっても手軽に、かつ相手のS・トリガーを無視して安全に勝利するために広く用いられすぎました。
公式の方でも度々言及されている通り、デュエル・マスターズは相手のシールドをクリーチャーでブレイクすることによって発動する「S・トリガー」などの逆転を生み出すシステムをウリにしているカードゲームであり、この点をあまりにも容易に無視して勝利してしまうようなデッキやギミックを成立させてしまう《神の試練》は望ましいものではなかったようです。
今回のプレミアム殿堂入りによって【青黒魔導具】、【青魔導具】は強力なフィニッシュ手段を失うことになりました。【青魔導具】については従来の《凶鬼卍号メラヴォルガル》や新規ドルスザクである《頂上混成ガリュディアス・モモミーズ’22》を《月下卍壊ガ・リュミーズ》で踏み倒す型に立ち戻ることはできるものの、ゲームプランが《卍新世壊卍》を使用する1本のみになってしまい、大幅な弱体化を余儀なくされるでしょう。
《奇術師ディール/「本日のラッキーナンバー!」》
《奇術師ディール/「本日のラッキーナンバー!」》は直近の環境では主に【赤青マジック】や【アカシックフィオナ】、【4c邪王門】が相手の動きを封じて自分の動くターンを稼いだり、S・トリガーを封じてフィニッシュを安定させる目的で使用されていたカードです。
水文明 (6)
クリーチャー:マジック・コマンド 6000
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、数字を1つ選ぶ。その数字と同じコストの相手のクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。
水文明 (3)
呪文
数字を1つ選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、相手はその数字と同じコストのクリーチャーを召喚できず、同じコストの呪文を唱えられない。
クリーチャーと呪文の2つの面を持つツインパクトカードとしては初のプレミアム殿堂入りとなった《奇術師ディール/「本日のラッキーナンバー!」》は主に呪文面《「本日のラッキーナンバー!」》に注目されてきました。
その効果は次の自分のターンまで指定したコストを持つクリーチャーの召喚と呪文を唱えることをできなくするというものであり、特に環境が硬直した競技シーンにおいて猛威を振るいます。
というのも、環境に存在するデッキの構築は繰り返されたトライ&エラーによって非常に最適化されたものになっているために同じコストのカードの採用枚数は多く、また相手のマナゾーンやバトルゾーンに見えた数枚のカードでデッキタイプを特定すれば、その強力な動きは概ね既知のものであるためです。
よって、先に紹介した【アカシックフィオナ】に対してであれば「5」を宣言することで《ナウ・オア・ネバー》や《「全て見えているぞ!」》を封じることで、有効なS・トリガーがない状態で攻撃に移ることができ、万が一他のS・トリガーで受けられてしまっても、最速での《森夢龍フィオナ・フォレスト》から《水中完全要塞アカシック3》へのルートを取らせないのでほぼ確実に次のターンが回ってきます。
こうした性質から、事実上3コストの追加ターン呪文として見なされることも多く、その軽いコストから使い回しも非常に容易でした。
特に【赤青マジック】においては偶然にもクリーチャー面が「マジック・コマンド」であるために、《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》で捨てるカードとしても使用できるほか、《芸魔隠狐 カラクリバーシ》での踏み倒しに対応、《芸魔王将 カクメイジン》で使い回しも可能で早期にS・トリガーのほとんどを封殺して攻撃できるという環境トップの所以ともいえる強みを形作っていました。
このあまりにも簡単かつ早期に相手の動きを封じてしまうという特徴が、今回のプレミアム殿堂入りの要因となったものと考えられます。
今回のプレミアム殿堂入りにより、主に【赤青マジック】が相手の動きを封じながら攻撃に移る戦術を取るための手段を失った形となります。
とはいえ、メインギミックの軽量マジック・クリーチャーから《芸魔隠狐カラクリバーシ》、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を踏み倒して2回目の攻撃に合わせて《芸魔王将カクメイジン》へ革命チェンジに繋ぐ動きやもう一つのS・トリガー封殺カード《単騎連射マグナム》を《瞬閃と疾駆と双撃の決断》で射出する動きなどは残っており、依然として強力なデッキであることに変わりはありません。
殿堂解除されるカード
《超次元バイス・ホール》
《超次元バイス・ホール》はかつて、クリーチャーによって選ばれない能力を持つ《時空の支配者ディアボロスZ》との相性の良さに着目され、サイキック・クリーチャーを用いたコントロールデッキに多く採用されていたカードです。
闇文明 (6)
呪文
相手の手札を見てその中から呪文を1枚選び、捨てさせる。
次のうちいずれかひとつを選ぶ。
►自分の超次元ゾーンにあるサイキック・クリーチャーを2体まで、コストの合計が6以下になるように選び、バトルゾーンに出す。
►コスト10以下の闇のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
一度は自分の《超次元バイス・ホール》で相手の《超次元バイス・ホール》を引っこ抜き合う不毛なゲームを生み出していたためにプレミアム殿堂入りに指定されたカードでしたが、環境の高速化に伴って相性の良い純粋なコントロールデッキが衰退したことに加えて、サイキック・クリーチャーのギミックがほとんど強化を受けなかったために殿堂入りに降りてきた後も成果を残すことはありませんでした。そこで、殿堂解除しても問題ないものと判断されたのでしょう。
今のアドバンス環境には6マナ払って唱えればおおよそ勝てる上に「S・トリガー」まで付いた《ヘブンズ・ゲート》や《灰燼と天門の儀式》が幅を利かせています。余程強力な新規のサイキック・クリーチャーでも収録されない限りは、残念ながら《超次元バイス・ホール》にお呼びがかかることはないでしょう。
《次元流の豪力》
《次元流の豪力》は非常に幅広い範囲のサイキック・クリーチャーを展開できる緑単色のクリーチャーという性質から主に《勝利のリュウセイ・カイザー》を呼び出し、バトルゾーンに複数の攻撃役を用意しつつ相手の動きを遅延させる役割で活躍していたカードです。
自然文明 (5)
クリーチャー:ビーストフォーク/エイリアン 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト6以下の光、火、自然いずれかのサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
一時は【ラムダビート】や【シューゲイザー】に展開要員として採用され、《フェアリー・ギフト》から3ターン目に立ててしまえば勝利も同然のパワーカードとして扱われ、殿堂入りとなりました。
その後も【緑単サソリス】が《邪帝斧ボアロアックス》を龍解させる上で最も効率よくバトルゾーンの合計コストを増やすのに貢献したことでプレミアム殿堂入りしていましたが、《超次元バイス・ホール》同様、サイキック・クリーチャーに強化が入らないままにかつての相棒《フェアリー・ギフト》の殿堂入りに伴って殿堂入りに降格。
それでも高速化した環境に対応できず燻っていたため、殿堂解除しても問題ないものと判断されたのでしょう。
今のアドバンス環境で5コストのクリーチャーを召喚できれば、多色ではあるものの《芸魔隠狐カラクリバーシ》から【赤青マジック】の定番展開に《魔光神官ルドルフ・アルカディア》から《魔の革命デス・ザ・ロスト》、《切札勝太&カツキング‐熱血の物語-》からの革命チェンジ。単色クリーチャーであれば《インフェル星樹》で《禁断~封印されしX~》の封印を使って2ブースト2ドローと当時とは比べ物にならない強ムーブで溢れかえっています。
こちらも《超次元バイス・ホール》同様、余程強力なサイキック・クリーチャーによるテコ入れが入らない限りは環境での活躍は望めないでしょう。
《ボルバルザーク・エクス》
《ボルバルザーク・エクス》は登場時にマナゾーンのカードを全てアンタップする能力により、自分自身を連続で複数展開するビートダウン、マナを大量に増やした上で《蛇手の親分ゴエモンキー!》から大量展開するコンボ、《謎師の艦隊》などの自分のクリーチャーを手札に戻す手段を用いたループなど、あらゆるデッキのキーパーツとして活躍していたカードです。
火/自然文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン/ハンター 6000
スピードアタッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、自分のマナゾーンにあるカードをすべてアンタップする。
登場時から激しい手札の消費を補ってくれる点で相性の良かった《サイバー・N・ワールド》と手を組み、あらゆるデッキに採用されるギミックとして環境を支配したことで殿堂入りとなりました。
その後は、主にループデッキがマナを回復させてループを継続させるためのパーツとして採用され続けたものの、かつてほど支配的ではありませんでした。
《天地命動バラギアラ》シリーズなどの近い能力を有するクリーチャーが登場しても問題ないほどに環境が高速化しており、唯一の懸念点であった【ネバーループ】のキーパーツ《天命龍装ネバーエンド/ナウ・オア・ネバー》が殿堂入りするにあたって、殿堂解除となったのでしょう。
《ボルバルザーク・エクス》に関しては先述した2枚とは異なり、環境で活躍する余地があると思われます。というのも、先日発売の最新弾「邪神と水晶の華」にて登場した《使命の頂天グレイテスト・グレート》がマナを大量に用意するという《ボルバルザーク・エクス》と相性の良い戦術を取る上に、自身の能力で《ボルバルザーク・エクス》を踏み倒すことができるためです。
《使命の頂天グレイテスト・グレート》には、自身の能力で展開したクリーチャーだけでは充分な決定力を持たないという弱点がありましたが、《ボルバルザーク・エクス》でマナをアンタップしてさらに展開を広げることができればこの点を解決することができます。
その他にも《勝熱英雄モモキング》と組み合わせたキリフダッシュや《我我我ガイアール・ブランド》と組み合わせたビートダウンなど、プレイヤー達の試行錯誤が始まりつつあります。
新殿堂・プレミアム殿堂適用後のオリジナル環境
これまでの殿堂・プレミアム殿堂入りを踏まえると、オリジナル環境では【青黒魔導具】、【赤緑アポロ】が激減、【アナカラージャオウガ】が減少、【フィオナアカシック】が大幅に弱体化して環境トップから陥落、【赤青マジック】は弱体化の影響を受けつつも環境トップに君臨し続ける。というような動きが予測されます。
この環境の動きにより、直接のテコ入れがなかった他の環境デッキからは【黒単アビス】【黒緑アビス】【青黒COMPLEX】【オボロティガウォック】など、【赤青マジック】に対しては五分以上に戦えていたものの、【青黒魔導具】や【アカシックフィオナ】に抑え込まれて伸び悩んでいたデッキたちがこの機に一斉に蜂起することが予測されます。
また、【赤緑アポロ】に対して有効な受け札を自然に搭載出来なかったデッキが息を吹き返したり、対策に割いていた枠を別のカードに回すことで実質的な強化を得る可能性もあるでしょう。
総合的に、ループを用いるデッキが一気に数を減らすことになるため、これまでは【赤青マジック】の攻めには対応できても、【アカシックフィオナ】や【青黒魔導具】に勝ちきれなかった受け主体のデッキの立場が向上する動きがみられそうです。また、殿堂解除となった《ボルバルザーク・エクス》によって思いもよらぬ新デッキが発生することも考えられます。
新殿堂・プレミアム殿堂適用後のアドバンス環境
アドバンス環境において、今回の殿堂・プレミアム殿堂入りの影響を受けるのは主に【赤青マジック】です。二番手に着く強力な受けデッキ【巨大天門】への有効な妨害カード《奇術師ディール/「本日のラッキーナンバー!」》を失ったため、《単騎連射マグナム》への依存度が上がるほか、対応するために《ファイナル・ストップ》のようなカードを採用する必要性に迫られるでしょう。
とはいえ、殿堂解除となったカードたちを含めても《ボルバルザーク・エクス》を採用した何かとんでもない新デッキが登場しない限りは環境の構造全体に大きな変化はなさそうです。
闇文明 (10)
クリーチャー:ドルスザク/マフィ・ギャング/ゼニス 15000
無月の門・絶:各ターンの終わりに、自分の魔導具をバトルゾーンまたは墓地から合計6つ選び、このクリーチャーを自分の手札または墓地からそれら6枚の上にコストを支払わずに召喚してもよい。
T・ブレイカー
このクリーチャーが召喚によって出た時または攻撃する時、相手のクリーチャーを1体破壊し、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。
相手の墓地に、どこからでもカードが置かれた時、カードを1枚引いてもよい。